お金の基本/第 4 回(全 12 回)
年 15% なら、5 年で 75% 増える? 単利と複利で 10 万円を比べる
単利と複利の違いから、利息の増え方を理解する

「年 15%」と聞いたら、5 年でどれくらい増えると思いますか。15 に 5 を掛ければよさそうですね。今回は同じ 10 万円と同じ金利で、利息を最初の 10 万円だけにつけるのか、増えた分にもつけるのかを比べてみましょう。
10 万円に毎年 15% の利息がつくとします。1 年で 1 万 5,000 円。では 5 年後にはいくらになるでしょうか。
「1 万 5,000 円が 5 回だから、17 万 5,000 円」。利息が最初の 10 万円にだけつくなら、その通りです。でも、増えた分にも利息がつく仕組みなら、同じ年 15% でも 約 20 万 1,136 円になります。 お金を足していないのに、どうしてこんな差がつくのでしょう。
同じ 10 万円、同じ年 15%。違うのは?
最初に用意するお金を「元本」といいます。ここでは 10 万円です。この元本だけに利息をつける方法が「単利」。ついた利息を元本に加えて次の利息を計算する方法が「複利」です。
今回は違いを見やすくするため、金利が年 15% で変わらず、複利では 1 年ごとに利息を元本へ加えると仮定します。途中でお金は足さず、税金や手数料も考えません。実際にこの条件で増える商品があるという話ではなく、計算の実験です。
| 経過した時間 | 単利:最初の 10 万円にだけ利息 | 複利:利息にも次の利息 |
|---|---|---|
| 1 年 | 115,000 円 | 115,000 円 |
| 2 年 | 130,000 円 | 132,250 円 |
| 3 年 | 145,000 円 | 約 152,088 円 |
| 5 年 | 175,000 円 | 約 201,136 円 |
| 10 年 | 250,000 円 | 約 404,556 円 |
単利の欄は元本とそれまでに受け取った利息の合計です。受け取った利息は別に取っておき、そこには利息がつかないものとします。端数は途中で丸めず、表に出すときだけ 1 円単位に四捨五入しました。
1 年後は同じです。でも時間がたつほど、2 つの金額の差は大きくなります。 その始まりは 2 年目の計算にあります。
2 年目は「何の 15%」なのか
単利では 2 年目も最初の 10 万円の 15% です。だから利息はまた 1 万 5,000 円。何年目でも毎年増える金額は同じです。
複利では 1 年目についた 1 万 5,000 円も次の計算に入ります。2 年目の出発点は 11 万 5,000 円。その 15% は 1 万 7,250 円なので、合わせると 13 万 2,250 円になります。
同じ 15% でも何円に掛けるかが変われば、利息の額も変わります。
2 年目も最初の 10 万円に 15% を掛けるのか。それとも利息がついた 11 万 5,000 円に掛けるのか。そこが単利と複利の違いです。
そもそも利息は何の代金?
ここまで利息がつく側から見てきました。反対にお金を借りる側に立ってみましょう。10 万円を借りれば、まだ自分で用意できていない 10 万円を今使えます。
そのお金を借りている間の使用料にあたるのが「利息」です。借りたお金に対してその使用料がどれくらいの割合になるかを表したものが「金利」。年 15% なら 1 年を単位にした割合です。
つまり金利は商品の値段のような一度きりの金額ではありません。借りる金額と期間によって、払う利息は変わります。 10 万円を 1 年間借り続ける場合と途中で半分返す場合では、同じ金利でも計算の土台が違ってきます。
じゃあ借金も 5 年で必ず 2 倍になるの?
先ほどの複利の表を借りる側から読むこともできます。「途中では何も返さず、毎年の利息を借入額に加え、その合計に翌年も 15% の利息がかかる」と仮定するなら、10 万円の借入れは 5 年後に約 20 万 1,136 円になります。最後にまとめて返すなら、それが返済総額です。
ただしこれは条件をそろえた計算例です。実際のローンやリボ払いがすべてこの表のように増えるわけではありません。 利息や手数料の計算方法、返す時期、返す額は契約によって違います。
たとえば残っている元金に利息がかかる借り方なら、元金を返して減らすことでその後の利息も小さくなります。反対に元金がなかなか減らなければ、利息を払う期間も長くなります。「年 15% だから、10 万円借りても追加で払うのは 1 万 5,000 円だけ」とは決められないのです。
見るのは金利と返済予定の両方です。毎月の返済額のうち、元金を減らす分はいくらか。最後まで払うと全部でいくらか。そこまで見ると、金利が自分の支払いにどう効くかが分かります。
お金が増えたら、買えるものも増える?
もう一つだけ確かめておきましょう。今度は 10 万円が 1 年で 1% 増え、10 万 1,000 円になる例です。数字は 1,000 円増えました。
でもその間に、買う予定だった家電が 10 万円から 10 万 3,000 円に値上がりしたらどうでしょう。去年なら買えたのに、今年は 2,000 円足りません。お金の数字は増えても、その家電には届かなくなっています。
いろいろなモノやサービスの値段が全体として上がり続けることを「インフレ」といいます。そのときは同じ金額で買える量が減ります。家電の値上がり一つで世の中全体の物価は測れませんが、「お金の値打ち」を考える入口にはなりますね。
だからお金が何円増えたかと、それで何が買えるかは分けて考えます。 利息を受け取る間にも買い物の側の値段は動いているからです。
金利を見たら、この 3 つを確認する
「年 15%」という数字だけでは、受け取る利息や返す総額は分かりません。実際に預けたり借りたりするときは、次の 3 つを確認してみましょう。
- いつまでの割合? 「年」なのか、別の期間なのか。
- 何円に掛かる? 最初の元本だけか、利息も加えるのか、返した後の残高か。
- 最後はいくら? 預けるなら税金や手数料を引いた受取額、借りるなら利息や手数料を含む返済総額。
数字の意味が分からなければ、具体的な金額と期間を伝えて計算してもらう方法もあります。「10 万円なら 5 年後はいくらですか」。割合を円に直すと、自分の家計とつなげて考えやすくなります。
今日の研究結果
10 万円に年 15% の利息がつくとき、5 年後の合計は今回の条件では単利なら 17 万 5,000 円、複利なら約 20 万 1,136 円でした。1 年目は同じでも、2 年目から「何円の 15% か」が変わったためです。
金利はお金を貸し借りするときの使用料を割合で表したもの。期間と計算の土台が分かって初めて受け取る額や払う額につながります。次に「年○%」を見たら、そこで計算を止めずに「何円に掛かって、最後はいくら?」まで確かめてみましょう。

