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100 ポイントもらえたら、100 円安く買えたことになる? 値引きとポイントの違い

1,000 円の買い物で、100 円引きと 100 ポイントを並べて、ポイントが値引きと同じになる条件と、それでもポイントに心が動く理由を確かめる

2026年10月21日に公開約5分で読めます

同じ 1,000 円のペンケース。A 店は今日だけ 100 円引き、B 店は 100 ポイント付き。どちらの店で買いますか。

新しいペンケースを買いに出かけました。欲しいものは決まっていて、値段は 1,000 円です。

A 店では、今日だけ 100 円引きで、900 円で買えます。B 店では、値段は 1,000 円のままですが、買うと 100 ポイントが付きます。この店のポイントは、次の買い物で 1 ポイント 1 円として使えます。

どちらも「100 円分」に見えます。B 店の会員カードを持っているなら、ポイントのほうに心が動く人もいるでしょう。でも、今日レジで払うお金は、A 店が 900 円、B 店が 1,000 円です。

同じ 100 円分、何が違う?

A 店(100 円引き) B 店(100 ポイント)
今日レジで払うお金 900 円 1,000 円
100 円分をどう使える? 残ったお金で、何にでも 次に B 店で払うときに
使える場所 どこでも B 店だけ
使える時期 今すぐ 次に B 店で買うとき
使わなかったら 100 円は残る 期限が切れると使えなくなることもある

値引きの 100 円は、財布の中に残ります。帰りにパンを買ってもいいし、貯金箱に入れることもできます。ポイントの 100 円分は、B 店でしか、しかも次の買い物でしか使えません。いつまでに使えばいいかも、店によって違います。

100 ポイントが 100 円引きになるのはいつ?

100 ポイントが値引きと同じ働きをするのは、次に B 店で何かを買って、ポイントを使ったときです。

たとえば、次に B 店で 100 円の消しゴムを買い、ポイントで払ったとします。2 回の買い物を合わせると、ペンケースと消しゴムで 1,100 円分の品物を、1,000 円で買ったことになります。

A 店のほうも、同じ 1,000 円で比べてみましょう。900 円でペンケースを買い、残った 100 円で消しゴムを買えば、同じ 2 つが 1,000 円でそろいます。この例では、手に入る 2 つの品物も、払ったお金の合計も同じになります。違うのは、A 店の 100 円は消しゴムでなくてもよく、別の店でもよかったことです。

B 店の 100 ポイントは、1,000 円の買い物に付くので「10% 分」と書かれることがあります。でも、ポイントを使い終わるまで見ると、1,100 円分の品物を 1,000 円で買ったことになり、1,100 円のうちの 100 円、約 9% 引きに当たります。割合は、どこまでの買い物を入れて数えるかで変わります。

そして、B 店にもう行かなかったり、ポイントの期限が切れたりすると、そのポイントは使えなくなります。ポイントが値引きと同じになるかどうかは、期限までにまた B 店で買って、ポイントを使い切るかどうかで決まります。

それでも、ポイントに心が動くのはなぜ?

お金の計算だけで見ると、値引きのほうが使い道が広くなります。ところが、ポイントの研究をまとめた論文によると、ポイントを付けたほうが、値引きよりも商品を売る効果が高かったという調査も紹介されています。1,000 円や 10,000 円の買い物で、1% の値引きと 1% のポイントのどちらを選ぶかを聞いた実験でも、ポイントを選ぶ人のほうが多かったそうです。

なぜでしょう。値引きを「払う額が減った」と受け取り、ポイントを「払ったのとは別に、もらった」と受け取るなら、ポイントのほうが、もう一つうれしいことがあったように感じやすいのではないか。論文はそう考えたうえで、それが本当にポイントに当てはまるかは、これから確かめる課題だとしています。

B 店によく行く人なら、100 ポイントを使う機会は多いでしょう。ポイントが貯まっていくのを見るのが楽しい、という人もいるでしょう。気をつけたいのは、ポイントが付くことに気を取られて、今日払うお金や、次も B 店で買うのかを考えないまま決めてしまうときです。ポイントを使い切るために、予定になかった物まで買ってしまうこともあります。

財部さんの30秒チェック

「ポイントが付く」と聞いたら、次の 3 つを考えてみてください。

  1. このポイント、いつ、どの店で使う? 期限までに使い切れそう?
  2. 今日、財布から出ていくお金はいくら?
  3. 「ポイントがもらえてうれしい」と感じたとき、払うお金のほうも見ている?

今日の研究結果

100 円引きと 100 ポイントは、どちらも「100 円分」に見えますが、今日払うお金も、100 円分を使える場所も違います。100 ポイントが 100 円引きと同じ働きをするのは、次にその店で買って、ポイントを使ったときです。それでもポイントに心が動くのは、払ったお金とは別に、もらったように見えるからではないか、と考えられています。

「ポイントが付く」と聞いたら、そのポイントを使う次の買い物まで思い浮かべてみてください。

財部さんのひとこと

次に「ポイント 10 倍」の札を見たら、あなたは買う前に何を確かめますか。

出典

  • 中川宏道「ポイントの知覚価値および知覚コストに関する研究の展望と今後の課題」『九州大学心理学研究』第 18 巻、15〜27 ページ、2017 年。値引きは財布に残りすぐどこでも使えるのに対し、ポイントはそうではないこと、ポイント付与のほうが値引きより販売促進の効果が高かった調査(流通経済研究所 2007、守口 2011 による紹介)、購買金額の 1% のポイント付与と値引きの選択で 1,000 円・10,000 円ではポイント付与が選ばれた実験(中川・守口 2012)、払ったお金とは別に評価される利得のほうがうれしく感じられるという考え方(Thaler 1985 のメンタル・アカウンティング理論)を、本文で確認。確認日:2026-10-20。

本文の店と金額は架空の例です。1 ポイントを 1 円として使える場合で計算しています。ポイントの期限や使い方は、店ごとの決まりで確かめてください。

本文の制度の数値は 2026-10-20 に確かめたものです。改定されることがあるので、申込や手続きの前に公式の記載をご確認ください。

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