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フリマで評価 100 件、すべて「良かった」。この人から買えば安心? 評価から分かることと分からないこと

評価 100 件の出品者と評価 3 件の出品者を並べて、評価が何の記録なのかと、評価からは分からないことを確かめる

2026年10月22日に公開約5分で読めます

欲しかった中古のゲームソフトが、フリマアプリに 2 つ出ています。1 人の出品者は評価 100 件がすべて「良かった」、もう 1 人は評価 3 件。どちらから買いますか。

欲しかった中古のゲームソフトを、フリマアプリで探していました。同じソフトが、どちらも 2,000 円で 2 つ出ています。

1 人目の出品者は、評価が 100 件あって、すべて「良かった」です。2 人目の出品者は、評価が 3 件しかありません。写真を見ると、どちらのソフトもきれいに見えます。

100 件すべてが「良かった」なら、1 人目から買おうと思う人は多いでしょう。でも、その 100 件は、今回のソフトのことを教えてくれているでしょうか。

評価 100 件と評価 3 件、何が分かる?

1 人目(評価 100 件) 2 人目(評価 3 件)
評価の数 100 件、すべて「良かった」 3 件
評価から分かること これまでの取引相手の多くが「良かった」と評価したこと これまでの取引相手が評価したこと。ただし数が少ない
評価からは分からないこと 今回のソフトの状態。評価が付かなかった取引 同じ
今回のソフトのことが分かる場所 商品の説明、写真、質問への答え 同じ

評価の数が違うのは、上の 2 行です。下の 2 行は、2 人とも同じです。評価は、知らない人が残した、過去の取引の記録です。今回あなたが買うソフトについては、どちらの評価にもまだ何も書かれていません。

評価は、何の記録?

大手のフリマアプリのメルカリでは、買った人が届いた商品を確かめて評価し、そのあと売った人も評価すると、取引が終わります。選べるのは「良かった」と「残念だった」の 2 つで、コメントも付けられます。ヘルプには、評価は実際の取引の内容に基づいて付け、相手の落ち度ではない理由だけで付けないように、と書かれています。

つまり、「良かった」は、その取引がうまくいったという記録です。発送が早かったのか、商品が説明どおりだったのか、やり取りが丁寧だったのか。どこがよかったのかは、コメントを読まないと分かりません。

付いた評価は、ほとんどが「良い」

評価の仕組みについては、アメリカのオークションサイト eBay の 1999 年の取引を調べた研究があります。買った人が売った人を評価したのは、取引のおよそ半分でした。そして、付けられた評価のうち 99.1% が「良い」で、「悪い」は 0.6% でした。

研究者たちは、悪い評価が少ないからといって、問題のある取引も少なかったとは限らない、と考えています。問題があっても、評価を付ける前に解決したり、評価を付けずに終わったりした取引があるかもしれないからです。悪い評価を付けると仕返しをされるのでは、と心配して付けない人がいれば、悪かった取引はもっと多い可能性がある、とも書いています。

ちなみに、今のメルカリでは、お互いの評価は、両方が評価して取引が終わったときに同時に公開されます。相手の評価を見てから自分の評価を決める、ということはできません。

それでも、過去の評価は判断の手がかりになります。同じ研究では、これまでの評価と、その後の取引に付く評価に関係が見られました。100 件の「良かった」は、過去の取引相手がそう評価してきた記録です。

評価 3 件の出品者は、危ない?

評価が 3 件しかないのは、評価から分かる過去の取引が少ない、ということです。危ないという意味ではありません。

同じ研究では、「良い」評価が 10 件未満の出品者では、それまでに付いた評価の 2.83% が「悪い」か「どちらでもない」でした。評価の多い出品者ほど、この割合はおおむね低くなっていました。ただ、研究者たちは理由を 1 つに決めていません。経験を積むと上手になるのかもしれない、悪い評価がたまった人は別の名前で出直しているのかもしれない、評価の多い人には悪い評価を付けにくいのかもしれない、と複数の見方を挙げています。

どちらの出品者から買うにしても、今回のソフトのことは、評価からは分かりません。商品の説明、写真、気になる点の質問への答え。今回の取引のことが分かるのは、そちらです。

財部さんの30秒チェック

フリマで買う相手を決めるときは、次の 3 つを考えてみてください。

  1. コメントの「良かった」は、発送の早さの話? 商品の状態の話?
  2. 今回の商品のことは、どこで確かめた? 説明、写真、質問への答え?
  3. 「評価が 100 件あるから、このソフトもちゃんと動く」と思っていない?

今日の研究結果

評価 100 件は、知らない人たちが残した、これまでの取引の記録です。今回の商品を確かめた記録ではありません。eBay の研究では、付いた評価のほとんどが「良い」で、うまくいかなかった取引が評価に残らないこともありました。それでも、過去の取引を知る手がかりにはなります。今回の商品のことは、説明や写真、質問への答えで確かめるしかありません。

「評価 100 件だから安心」と思ったら、その 100 件が何についての記録なのかを考えてみてください。

財部さんのひとこと

次にフリマで買うとき、あなたは評価のほかに何を見て決めますか。

出典

  • メルカリ ヘルプセンター「受取評価/評価の手順」。評価は「良かった」「残念だった」のいずれかを選ぶこと、実際の取引内容に基づいて評価し取引相手の落ち度ではない理由だけで評価しないこと、購入者と出品者が評価して取引が完了した時点でお互いの評価が同時に公開されることを、本文で確認。確認日:2026-10-22。
  • Paul Resnick, Richard Zeckhauser "Trust Among Strangers in Internet Transactions: Empirical Analysis of eBay's Reputation System"(The Economics of the Internet and E-Commerce, Advances in Applied Microeconomics 11, 2002)。著者が公開している 2001 年 2 月の草稿版で、1999 年の取引で買い手が評価したのは 52.1%(草稿本文の値。Table 1 の件数からは約 51.7%。本文では「およそ半分」と書いた)で、そのうち 99.1% が positive、0.6% が negative だったこと、問題のある取引の割合は報復を恐れて評価しない人がいれば大きく過小になりうること、positive が 10 件未満の出品者で付いた評価の 2.83% が neutral か negative だったこととその理由の複数の見方、評価がその後の取引の結果を予測していたことを確認。確認日:2026-10-22。

本文のゲームソフトと出品者は架空の例です。eBay の数字は 1999 年のアメリカのオークションサイトのもので、今の日本のフリマアプリの割合ではありません。

本文の制度の数値は 2026-10-22 に確かめたものです。改定されることがあるので、申込や手続きの前に公式の記載をご確認ください。

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